連帯保証人に対する情報提供義務が決められた民法改正

民法改正によって、連帯保証人に対する情報提供義務が新たに決められました。この規定が記載されているのは、民法第458条の3という新しく作られた条文です。この条文の第1項では、期限の利益に関する情報提供の義務が定められています。民法改正で債権者の新たな義務となったのは、期限の利益に関する情報を連帯保証人に提供すべき義務です。

主たる債務者が期限の利益を持っている時に、その利益を失った場合には、債権者は保証人にそのことを教えなければいけなくなりました。主たる債務者が通知しなければいけないのは、期限の利益を失ったことを知った時から、2か月以内の期間です。利益を失ったことを知ってから2か月より後に情報を提供した場合には、債権者は上記の義務を履行したことにはなりません。必ず知ってから2か月以内に教えるべき義務があります。

この条文の規定で注意すべきことは、主たる債務者が期限の利益を失ってから2か月以内に、債権者が情報を提供しなければいけないわけではないことです。主な債務者が期限の利益を失っても、それを債権者が知っていなければ、債権者は連帯保証人に情報を提供する義務はありません。民法改正の前は、債権者にこのような義務はなかったので、主たる債務者が期限の利益を失ったことを知った後でも、債権者はそれを連帯債務者に教える義務はありませんでした。こうした規定は連帯債務者には不利であったので、民法が改正されました。

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